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右脳と左脳(脳の仕組み2)
右脳と左脳の役割の違い
大脳(主に大脳皮質)を右脳と左脳に分ける考え方は、日本では「一般常識」となっています。
私たちの脳は右半球と左半球に分かれ、その真ん中に脳梁(のうりょう)という神経線維があります。右脳と左脳では働きが違い、脳梁は両者の連絡橋の役割を担っています。
右半身の運動は左脳、左半身の運動は右脳が命令を下します。これは、大脳と体の各部分をつなぐ神経が延髄のところで交差しているからです。
そのため、たとえば脳梗塞などで右脳がやられると、左半身が不自由になります。
右脳と左脳の役割の違いは次のとおりです。
●左脳
左脳は、言語の認識と言語的推理、計算と数理的推理、論理的思考などを受け持っています。
読む、書く、話す、計算するなどの行為は左脳の役割になるわけです。
そのため、左脳は言語脳、論理脳、デジタル脳などと呼ばれることがあります。
人間の知性の源となるものが、この左脳に集まっていると考えてもよいでしょう。
●右脳
右脳は、図形や映像の認識、空間認識、イメージの記憶、直感・ひらめき、全体的な情報処理などを受け持っています。
絵を描いたり、楽器を演奏したりするのは右脳の働きです。
右脳は、イメージ脳、感覚脳、アナログ脳などと呼ばれることがあります。
デザインや音楽などの芸術的な活動や、アイデア・ひらめきなどを必要とする企画の仕事、学問的な研究や技術の開発などでは、右脳の働きが重要になります。
●右脳・左脳はバランスが大切。相互の関連づけで相乗効果が…
学校の勉強(主要教科)は主に左脳を使います。そのため、右脳を鍛える機会がかなり少なくなっています。しかし、「右脳を鍛えると頭がよくなる」というのは少し飛躍した論理です。
大切なのは両者の脳力のバランスです。右脳はふだん意識して使っているわけではありませんが、日常生活ではだれでも左脳と同じくらい使っているはずです。それを意識的に鍛えることで、相互の関連づけを図ることができれば、左脳との相乗効果が期待できるのです。
右脳と左脳は別々には働かない
●言語に関わるウェルニッケ中枢とブローカ中枢、その他
右脳・左脳理論では、「言語は左脳、感覚は右脳」としていますが、私たちの実際の脳はそう単純にはできていません。
たとえば、言葉を聞いて理解するには左脳にあるウェルニッケ中枢という聴覚性の言語野を使いますが、話すときはブローカ中枢という運動性の言語野を主に使います。さらに文字を読むときは視覚にかかわる後頭葉、書くときは運動をつかさどる頭頂葉も同時に使います。
また、文字を読む場合は、右脳も活性化することがわかっています。
さらに、「読む、書く、聞く」の作業には意欲や創造にかかわる前頭葉も働きます。
つまり、言語については大脳のほぼ全域が何らかの形で関与していることになります。日本では半ば常識となっている「言語=左脳」理論は、あまりにも大雑把で原始的なものだったわけですね。
●音楽を聴くと、右脳だけでなく左脳も活性化する
「音楽は右脳」、これもほぼ定説になっています。
ところが最近の研究では、音階を聞くだけで、左側頭葉の42野と呼ばれる聴覚野や、言葉を聴くときに使うウェルニッケ中枢の一部も活性化されることがわかってきました。
当然ながら、歌詞の意味がわかるボーカルを聞く場合は、左脳の聴覚野がさらに活性化されるでしょう。
また、音楽を聴くと、体を動かさなくても運動をつかさどる小脳が活性化することが確認されています。
さらに、楽譜を見ながら楽器演奏をする場合は、後頭葉(視覚野)や頭頂葉(運動野)、前頭葉も使われるようになります。
このように音楽は右脳だけでなく、脳全体を使っているのです。
右脳と左脳は細かく分ければ機能別に様々なパーツに分かれ、それぞれがネットワークを形成しながら、右脳と左脳を高次元で交流させています。
頭がよくなるということは、それぞれのパーツをバラバラに鍛えることではなく、各パーツの緊密なネットワークを新しく築くことではないでしょうか。
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