なぜか同じ読み間違いをする漢字
/誤読漢字1
例えば、「人格の陶冶」を「とうち」と読んでしまう場合で、「冶」と「治」を混同しているからです。「冶」から「冶金(やきん)」を連想できれば、「陶冶」の言葉を知らなくても「とうや」と読むことができます。もっとも、「冶金」を「ちきん」と勝手読みしている場合は、どうしようもありませんが…。
ここでは、読み間違いをしやすい漢字のうち、形が似た漢字と混同しやすいものを問題形式でまとめてみました。あまり使われない言葉から、よく使われるのに漢字を知らないというようなものまで、いろいろあります。
【問題1】
次の語句の大きい字はどうよみますか。
①猜疑心が強い ②論理の破綻 ③造詣が深い ④渾身の力 |
【問題2】 次の語句の大きいはどう読みますか。
①疲労困憊 ②ご厚誼のほど ③漸次快方に ④斬新な発想 ⑤慙愧の念 ⑥暫時の辛抱 ⑦饒舌な男 ⑧箴言集 ⑨名刹を訪ねる ⑩刹那的 ⑪本を上梓 ⑫山寺に参籠 ⑬将軍に拝謁 ⑭杜撰な工事 ⑮部長に抜擢 ⑯元気溌剌 ⑰夭逝の天才 ⑱仕事に邁進 ⑲流暢に話す ⑳敷衍して考える |
【問題1の解答】
①さいぎしん ②はたん ③ぞうけい ④こんしん ⑤ざんしん
⑥しゃだつ ⑦かしゃく ⑧とっさ ⑨はたん ⑩ぼくとつ ⑪はぎ
⑫けいけん ⑬ぐまい ⑭こうてつ ⑮しゅうれん ⑯しった
⑰しれつ ⑱ようさい ⑲こうこう ⑳こうまい
漢音、呉音、唐音について
ご存知のように、漢字の読み方には音読みと訓読みがありますが、音読みの中にもいろいろあります。「漢字」という呼び名は漢王朝に由来するもので、その時代の読み方が漢音です。また、三国時代に呉の国から入ってきた発音が呉音で、唐の時代に入ってきたのが唐音と呼ばれるものです。
一般的に、漢字は漢音がふつうの読み方で、呉音はやや難しい読み方となっています。また、唐音はかなり特殊な読み方で、仏教用語などに多く見られます。次はその例です。
〔成〕…成功(せいこう=漢音)、成就(じょうじゅ⁼呉音)
〔行〕…旅行(りょこう=漢音)、行水(ぎょうずい=呉音)、行灯(あんどん=唐音)
〔提〕…提案(ていあん=漢音)、提灯(ちょうちん=唐音)
読み間違いの多くは呉音や唐音から発生しますから、漢字テスト対策にはそれらの読み方をしっかりチェックしておくことが大切です。
【問題2の解答】
①こんぱい ②こうぎ ③ぜんじ ④ざんしん ⑤ざんき ⑥ざんじ
⑦じょうぜつ
⑧しんげんしゅう ⑨めいさつ ⑩せつな ⑪じょうし ⑫さんろう
⑬はいえつ
⑭ずさん ⑮ばってき ⑯はつらつ ⑰ようせい ⑱まいしん
⑲りゅうちょう ⑳ふえん